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こどもおとなも。
みんなのロボコン

コーサク通信

次なるテーマは「運搬」! 真似から始めるロボ製作

2024.12.20

コーサクロボコン

CO-SAKUロボコンのロボット製作プロセスは、「基本型のロボットを製作する→ロボコンの課題に向かって改造する→ロボコンに挑戦する」というのが定番でした。

これまでコーサク室でのロボットプロジェクトは、夏休みなどを利用してロボット製作にある程度じっくりと時間をかけてロボコンにのぞむ、という流れで運営してきました。ロボットの改造アイデアを練る時間も試行錯誤する時間も、確保することができました。

でも、今の時代、子どもも大人も何かとみんな忙しいんです。集中力や興味関心が持続しない、という状況も多々見られました。「ロボット製作→ロボコン」のプロセスを、内容は濃いままに時間を短縮して軽量化できないか、という課題をずっと抱えていたのです。

初のCO-SAKUロボコン開催となったシモキタロボフェス2024に至るまで、ロボット製作にかけた時間は、個人差がありますがだいたい3日程度(1日あたり4,5時間)でした。事前に基本パーツは準備して設計プロセスを短縮し、自由に改造する時間を捻出する工夫をしたのです。

基本ロボット製作

CO-SAKUロボコンの基本ロボットは、「動くものを初めて作る」という人にも、機構の基本を押さえながら楽しんでもらえるようにできています。シモキタロボフェス2024では、「思ったより本格的でびっくりした」とお声がけくださる方もいました。主な特徴は、次のとおりです。

①CADでパーツ設計をしてレーザー加工機でパーツをつくる
②エネルギーを直進移動や回転・曲げなど何らかの動作に変換する基本の部品としてサーボやモーターを使う
③パーツ結合はネジや結束バンドを使う。拡張性がある構造でカスタマイズしやすい

▲CO-SAKUロボコンの基本ロボットLITEモデル

マニュアルもあり、少しサポートがあれば初めての人でも作れます。「自分で作ったものが動いた!」という瞬間は、初めてなら特に、かなりの感動があります。

「次は何をすればいいですか?」

シモキタロボフェス2024に向かって、短期間で基本型ロボ製作はどんどん進みました。手が早い人は、ほぼ1回目でロボットの姿形はほぼ完成していました。2回目でプログラミングに挑戦、という流れです。おお、短期間でもできた! よかった! 

ところが、です。

「次は、何をすればいいですか?」
「ロボコンフィールドの課題をクリアするために、ロボットを改造しよう! 好きに考えて作っていいよ」
「どうやって?」
「えっと・・・」

▲頭に思い描くロボの姿を現実に作るのは相当に難しい。サポートも大変です

自由に作っていいよ、の高い壁

基本型ロボットから改造して自由に作る、そこに高い壁がありました。

「自由にしていいよ」と言われても、何をしていいかわからないんです。自由に発想してアイデア出して、なんて言われても、大人でもそんなに簡単に思いつかないですよね。子どもの場合は、アイデアが出ても突飛だったり実現不可能なものだったりすることが多々。現実的なアイデアが出たとしても、それをどんな方法で実現するのか、どれくらい時間がかかるのか、経験がないのでイメージできません。しかもロボコンまで時間がないとなると、もう、心折れてしまいます。

シモキタロボフェス2024でのロボコンフィールドのテーマは「月面探索」でした。資源に見立てたボールを集める、太陽光パネルに見立てたパネルを立てかけるなどが課題となりました。これらの課題は、今回は、ほぼ基本型ロボットでクリアした挑戦者も多く、改造による得点差はあまり出なかったのです。

▲シモキタロボフェス2024でのロボコンフィールド

基本型ロボットで次々に課題をクリアした猛者がたくさんいたのは嬉しい誤算でしたが、やはり私たちは、自分で考えて改造し課題に取り組むというプロセスを大事にしたいと考えています。

真似から始めよう、考えるための引き出しを増やそう

ロボット製作を短期間で、内容は自由度高く。「次は何をすればいいですか」ではなく「次はこれを作りたい」になるように。
CO-SAKUロボコンで取り組む、次なる課題です。

実は、CO-SAKUロボコンの次のテーマはもう決まっています。「運搬」です。
このテーマに向かって、今度は、基本ロボット製作から入るのではなく、「運ぶ」という動きの機構を研究し、真似して作ってみるところから始めてみようと考えています。

「こういうのもあるんだ」
「こうしたらもっと面白くなりそうじゃない?」

CO-SAKUロボコンは、入門のロボティクスコンテンツです。「知らない」「やったことがない」という状態から始める人たちがゼロから作る、考えるのは難しすぎます。「へぇー、こんなの作れるんだ、あんなのもあるんだ」「あれ、かっこいい」から始めて、つくってみたいを、真似することから始める。作り手の想像力だけに頼るのではなく、考えるための引き出しを作っていく。そんなプロセスを大事にしたいと思います。

ロボコンは、ゴールの一つにすぎません。
ものづくりを楽しむ、おもしろそうと思ったことから始めて仕組みを理解し作れるようになる、そんな経験をご一緒しましょう。

2025年1月19日(日)に、CO-SAKUロボコンDAYを開催予定です。この日は、「運搬」をテーマにいろんな機構を探して、ちょっと真似して作ってみることをやってみたいと思っています。詳細は後日発表しますので、お楽しみに!

▲運び方もいろいろ。運ぶだけでなく、置き方も研究したい

©co-saku-dani.